2011-06-29

定点録音+写真 @ 身体気象農場 ▷ 6月

...


6月の 定点録音+写真 @ 身体気象農場 です。

このプロジェクトの詳しい内容はこちら




6月22日 14:00 - 18:00 曇り

梅雨の時期なので今月だけは雨をちょっと期待していたのだが降らず。こういう時に降りません。キャメルと違って。風もあり雲も適度にかかっているため思ったほど暑くもなく過ごしやすい。なんだかとても久しぶりな気がした農場。啓志さんは先月不在だったので2ヶ月ぶりにお会いした。今回はお友達のさやかちゃんも見学に。先月はあんなに黄色かった菜の花畑の姿はもうすっかり無く、そのかわりパンパンになった実がたくさんなっています。そして蜜蜂と巣箱がやってきました。もといた蜜蜂にさらに新たに購入して増やしたとのこと。巣箱の中にはもう蜜がぎっしり。これは楽しみです。(食べる気満々)いよいよ蚊やブヨも増え始めてきてあちこち刺されます。ちなみに前回あれだけ後悔していたのにまたサンダルでいってしまった。あちこち雑草も増え朽ち果てたファントムはラピュタの遺跡のようになっています。虫が増えたこともあって遠くの音よりも近くの音に耳がいきます。葉も生い茂り風が吹く度に風の動きが見えるようにさらさらと音をたてて揺れていきます。カズさんがニワトリにえさをあげています。玉井さんの奥さんの棚橋さんにもお会いした。とても素敵な方で、白州で暮らし絵の仕事と農業をやられているとのこと。絵がまたとても素敵なのです。今回はいつもに増して森の舞台でゆっくりと時間を過ごす。あの場所は落ち着くんだけど緊張感もあってちょうどよいバランス。途中啓志さんがネギ畑の雑草刈りをしていた。ネギは定期的に土を盛ってあげることで白い部分を成長させるという話を聴く。植えればあの状態になるものだと思っていたのでびっくりだった。雑草刈りがとっても大事な作業でそれを怠ると質も生産性も落ちてしまうという話。細かいところは手で刈るということ、便利な機具があったとしてやはり最終的な細かい作業は人間の手だという話、それはどの分野にしてもきっと共通していることなのだと思った。最後ひろみちゃんと近くの川へ。白州の水は本当にきれいだ。膝まで浸かってみたけど冷たくて気持ちがよい。もうすっかり夏がやってきたようだ。






バイノーラル録音のため、イヤホンかヘッドフォンで聴かれる事をお勧めします。



定点録音:ファントム付近

定点録音:鶏舎

定点録音:森の舞台

定点録音:田植えの田園

番外編:栗林。上を向く。

番外編:蜜蜂の巣箱

番外編:鶏舎付近での会話

番外編:ニワトリの餌仕込み〜餌あげ

番外編:ヒヨコ

番外編:森の舞台で口笛
 

番外編:ネギ畑の雑草刈り
 

番外編:川を歩く

番外編:川の流れ。緩やか。

番外編:川の流れ。激しい。






 photo by hiromi tanzawa








































...

2011-06-20

森ゆに『夜をくぐる』

...


レコーディング、ミックス、マスタリングで携わらせてもらった
森ゆにの新譜『夜をくぐる』がいよいよ22日にリリースします。
是非たくさんの人に聴いてもらいたい。

それはキャメルの音源をつくる時もそうだし、何か関わらせてもらった時も同じです。
大事につくったものだから、当然たくさんの人に聴いてもらいたい。
それが関わった比率が大きければ大きい程、やっぱりその気持ちも大きくなります。

これは何かつくったときには必ず思うことだけれど、
作品が出来上がった時点ではまだ完成だとは思ってません。
それが誰かの手に届いて、何か想いを巡らすものになったときに初めて完成したと思っています。
いやもしかしたら、そこからまた何年かたって、その人にとってその音が何か代え難いものになったときに完成なのかもしれません。というか完成なんてないのかもしれません。

よくわからないですけど、そう思ったりします。


いろいろつくったものに対して講釈を述べるのは好きではないけど
CDをつくるということ、録音のことも、今回は理想としていることに少し近づけたり
今後こうしていきたいな、とか大切にしていることを考えたり実践したりするのに
とってもいい要素がつまっていた作り方だったのでせめて自分のブログでぐらいちゃんと思ったことを言葉で残しておこうと思います。

いろいろ言いたいのは年とった証拠かもだけど、やさしく受け止めてやって下さい。
打たれ弱いので。



録音にもいろんな関わり方があるけれど、エンジニアとして、ミュージシャンとして一番自分にとって理想の関わり方は、やっぱり自分の作品のように、メンバーの1人として関わるということ。
その人の声をよく聴き、歌詞や思い描く世界観を共有して自分の中でさらにそれを膨らませること。

元々自分はキャメルの音源をつくるために録音作業をしてきた人間なので
スタジオエンジニアのような知識も経験もありません。
というかいろいろとまわりに教えてくれる人はいるけれどかなり独学でやってます。
言われた通りの要望に応える力は通常のエンジニアの様には無いかもしれません。
当然知識はあるにこしたことはないので、これからもできる限り勉強していきたいと思っているけれど、でもそのかわり、こうやって1つのバンドの制作をするために重ねてきた自分なりの経験や知識はあります。

それは作り手と丁寧に向き合って、場所や想いや記憶をつなぎ止めて音にとじ込めること。
さーめんどくさい話になってきました。

こうやって個人でも録音してそれなりに作品もちゃんとつくれるなんて、なんて素晴らしい時代なんだろうと思う。いくらでもいろんな音出せるし、重ねられる、サンプリングだってできるし、それっぽいものだって簡単にできます。かっこいいことも、なになにっぽいということもとても強みだし、そういうものがつくれる力も才能だと思ってます。でも自分がまず大事にしたいのは、その音を発するその人、その声を出すその人や、その言葉を発するその人自身、その人をとりまく美しいものや汚いもの、それらと向き合うこと。あとは音はおのずとついてくるものだと信じています。

で話は森ゆににもどると、今回の録音や携わり方は、なんだかそういうことがとっても素直に良い温度でできたと思ってるのです。
身延町のホールでの録音のことも、彼女の言葉の1つ1つや今想うこと、できること、その音が向かって行く先

いいコミュニケーションの中で作品がつくれたし、そういうことを可能にしてくれた環境にもとっても感謝してます。

そしてジャケットのデザインのこと。

今回誰にお願いしたら良いのか、という話をみなでしているときに
森ゆにが以前に月夜と少年でライブをしたときに今まで一番場所としてしっくりきた
と言っていたのを思い出し、さらに月夜と少年の吉田コウくんがCDを前ほど買わなくなったと話をしていたのを思い出し、これはおもしろい組み合わせかもと思って提案してみたのでした。

CDの価値に関して疑問を抱く吉田くんにCDのデザインを頼むということ
できるものに対して絶対素晴らしいだろうなとは思っていたけれど(やっぱり素晴らしかった)
それでもCDをつくって残していくことに関して、どういう落としどころを見つけるのかな
ということにとっても興味があったのです。

少なからず音に関しても、ここ数年でみたって扱われ方は随分変わったと思うけれど
どういう形で届けるであれ、とにかく大事につくって最後まで責任を持つ
ということ以外に答えはないのかなと自分は思ってます。
そして忘れちゃいけないのが、ワクワクする気持ちと、想像力を刺激するものであること。
まあこれは自分の嗜好が強いけど。
人に伝える場合に、声を大にすればよいというわけでもなく
かといって、限られた人だけ分かってくれればいいというのも違うと思うので
そこもうまいことやっていかなくちゃいけない。


いよいよよく分からなくなってきましたが

みんなで大事につくったのでよかったら是非聴いてやって下さい。

とにかくそういうことです。

たくさんの完成の形が生まれることを願って。









森ゆに 2nd album 「夜をくぐる」

1. 春一番の風は激しく
2. 白昼夢
3. 瞬き
4. バラの咲く庭で
5. 6月25日
6. 夜をくぐる
7. 星のうた
8. あなたはあなたで

2011年6月22日(水)発売
8曲入定価¥1,995(税抜価格¥1,900)
XQFL-1019 (P)2011 PERFECT MUSIC Co.,Ltd.







...